6月10日~17日にギリシア第二の都市、マケドニアの中心地テッサロニキで開催された国際フランコフォニー学会(CIEF)第26回大会で、15日のセッションの発表・司会を務めてきました。 セッションのテーマは「ケベック文学における、戦争、テロ、暴力」Représentation de la guerre, du terrorisme et de la violence dans la littérature québécoiseで、まず、コンコルディア大学のリュシー・ルカンLucie LEQUIN教授が「『束の間の幸福』と『九日間の憎しみ』における戦争」と題した興味深い発表をなさいました。次に、モンレアル大学のジル・デュピュイGilles Dupuis教授が「ルイ・アムランの『オオヤマネコ座』における十月危機と戦時措置法」と題した刺激的な発表を行われました。最後に小畑がアキ・シマザキの『秘密の重み』に見られる暴力と戦争について発表しました。 「やり直し総選挙」直前でしたが、「財政危機」に発する混乱を尻目に、テルマイコス湾沿いに立ち並ぶカフェで夕陽を眺めながら「フラッペ」と呼ばれる泡立てたコーヒーを飲む人々を見ていると、様々な人々が行き交ってきたマケドニアの長い歴史が思い起こされました。緊縮財政は嫌だけど、ユーロ圏から取り残されるのはもっと困る、といっていたタクシーの運転手の言葉が印象的でした。 なお、立花英裕副会長、山出裕子理事も当初参加発表予定でしたが、残念なことに、お二人とも止むをえない所用のため参加できなくなったことを申し添えておきます。 詳細は学会誌第三号をご一読ください。
世界フランス語フォーラム参加報告
ケベック市で開催された第一回世界フランス語フォーラム(Forum mondial de la langue française)に7月2日から二日間参加してきました。グローバリゼーションの時代に、特定の言語・文化に限定されることなく、複数性を重んじる視点から、フランス語の現状・可能性を報告し、その将来を議論しあうのがフォーラムの目的です。 想像以上に大きなフォーラムで、1500人以上の参加者・300人以上の発表者がいました。開会式では、シャレ・ケベック州首相はもちろん、ハーパー連邦首相、ディウーフOIF事務局長らが挨拶、メディアでも大きく報道されていました。特に、アフリカ諸国や世界各地から若者が集まり、各地域を代表する青年たちが堂々と演説していたのが印象的でした。 日本からは、三浦信孝中央大学教授(日本フランス語教育学会前会長)が基調講演、私が分科会で報告を行いました。その他に、アホメド・アライタ・アリ駐日ジブチ大使、昨年の日仏会館フランス語コンクール優秀賞の中央大学院生・菊池大輔君と、AJEQ奨学金受給者の明治大学院生・仲村愛会員が招待参加しました。 より詳細な大会の様子は、7月後半に発行されるAJEQニュースレター夏の号をご覧ください。 以下の写真は、レセプションでシャレ州首相と。