小倉和子・小畑精和:(モントリオールでのCIEF参加報告) 小倉和子:アカディア出身の作家Antoine Mailletによる感動的なスピーチで幕開けしたCIEF(国際フランコフォニー学会)世界大会は、7日間にわたって90以上のセッションで300名近い研究者たちの発表が行われた大規模なものだった。テーマは、移民文学を初めとして、フランス語圏各地域の文学、それらにおける女性作家やアイデンティティ形成の問題、文学と映像、旅行文学、言語学、翻訳、フランス語教育…とじつに多岐にわたっていた。また、研究発表の他にも、ケベックの推理小説に関するシンポジウムや、作家とのランコントル、映画上映、ジャズの生演奏や詩の朗読会など、盛り沢山な催しが用意されていた。 ケベック在住の研究者との交流も得難い時間だったが、加えて、日・韓両ケベック学会員共催のセッションでは、昨年来の両学会の交流がモントリオールに場を移して熱く繰り広げられた。小畑会長と小倉の滞在最終日には、在日2世でモントリオール育ちの作家Ook Chungとの夕食会も催され、これまで作品を通してしか知らなかった作家の人柄に触れることができたのも、わたしには貴重な収穫だった。 小畑精和:6月27日から7月4日までモントリオール・デルタ・セントラルホテルにおいて国際フランコフォニー学会(CIEF)2010年度第24回大会が開かれた。AJEQ会員からは、小倉和子理事と小畑精和が参加した。 まず小畑が7月1日の午後の第四セッション「 Sur les écrivains québécois d’origine asiatique 」で、« Trois mémoires des écrivains québécois d’origine asiatique : Aki Shimazaki, Ook Chung et Ying Chen »という研究発表を行った。 次に小倉理事が7月2日午前の第三セッション「Regards asiatiques sur Anne Hébert」において、« Paysages, désir et délivrance dans Les Fous de Bassan d’Anne Hébert »と題された研究発表を行った。 それぞれ報告後(報告要旨は追って掲載予定)には活発な意見交換が行われ、有意義なセッションであった。また、ケベックの研究者はもちろん、旧知の韓国人研究者、その他の国からの参加者などと交流を深めることができたのも大きな収穫であろう。 2011年度のCIEF大会はフランスで開催されるそうである。AJEQが中心となってセッションを組んで参加することを検討したい。 プログラムは以下のページの左上のリンク参照: http://www.cief.info/congres/2010/index.html