公開セミナー「ケベック文学の現在」@立教大学(4/28)
1.ナタリー・ワテーヌ教授「アンヌ・エベールと女性のエクリチュール」
2.フランソワ・エベール名誉教授「到着の謎ー1980年以降のケベックの移民作家」日時:2012年4月28日(土)16:30~18:20
場所:立教大学・池袋キャンパス・太刀川記念館3階・多目的ホール
主催:立教大学異文化コミュニケーション学部
共催:AJEQ
司会:小倉和子立教大学教授・AJEQ副会長

ナタリー・ワテーヌ・シェルブルック大学教授による講演
ナタリー・ワテーヌ教授の講演要旨(配布資料より引用)テーマ「アンヌ・エベールと女性のエクリチュール」
アンヌ・エベールは、ケベックと女性の解放のために「書くこと」による参加を選んだ作家。
青春時代の読書でヨーロッパの作家たちに関心を持ち、一時フランスに渡り、ケベックから遠ざかったが、1975年の国際婦人年をきっかけに、女性の視点から書き始める。
それまで長らく沈黙していた国で、女性として書くことは、究極の自由のための行為であった。その後に、フェミニズムの必要を感じ、強い性格の女性を描くようになった。
代表的な作品として、『カムラスカ』(1970)、『サバトの子どもたち』(1975)、『シロカツオドリ』(1982)、『最初の庭』(1988)、『木の部屋』などがある。
フランソワ・エべール・モントリオール大学名誉教授による講演
フランソワ・エベール名誉教授の講演要旨(配布資料より引用)テーマ「到着の謎ー1980年以降のケベックの移民作家」
ケベック文学における重要なテーマは、移動、亡命、旅、それに伴うノスタルジーと希望であり、アイデンティティをめぐる問いかけといえる。
現代ケベックにおける移民作家たちについては、1980年以降、他国からケベックに来た人たちがフランス語で作品を発表するようになり、それによって従来のケベック文学はより開かれたもの、より豊かなものになった。
特に、以下の5人の移民作家に注目:(1)レジーヌ・ロバン(ポーランド系)、(2)イン・チェン(中国出身)、(3)キム・チュイ(ヴェトナム出身)、(4)マウリチオ・セグラ(チリ出身)、(5)ダニー・ラフェリエール(ハイチ出身)。
参考:他の写真は以下の「AJEQ資料集」に掲載:
http://ajeq.blog.so-net.ne.jp/2012-04-28--------------------------------------------------